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4-68.期限の月
2008 / 08 / 09 ( Sat )
4-68

そして12月がやってきた。

街中がクリスマスのイルミネーションに包まれる。年の終わりでもあるし、彼女の生活を援助するのも今月が最後になる。再びつきあいを始めた日、俺たちはそういう約束をしたのだ。

あの時はきっぱりと言い切った彼女だったが、実際それに直面したらどうだろう。また金を出さないと言った時に、俺たちの関係は今まで通り続けていけるんだろうか。

いろいろと思うところはあるが、それは心にしまってメールを続ける。どうせ12月が終われば結果は出るのだ。今から騒いで今月の逢瀬をぶち壊しにすることもない。



いつもの様にトイレットペーパーを取りに上海支社に立ち寄る。
ついでにちょっと仕事をして、それから目指すは彼女のマンションだ。

冬至間近の太陽はそそくさと定時退社をしてしまい、あたりは急速に暗くなる。薄暗いスーパーマーケットの前を露天商の商品を踏まないように気をつけながら歩いてマンションの前に。今回はここを通りすぎて、隣のビルに向かう。隣のビルの1Fは美容院だ。ガラス張りの店内を透かしてみると、奥の方で髪をいじってもらっている彼女の姿が見えた。

ちょっと用事があるというSMSが来ていたので、もしやと思ったら大当たりだ。彼女は本当に美容院が好きだ。先日チャットで話した時には、数日に1回は行っていると話していた。髪を切るのではなく、洗って手入れをしてもらっているらしい。贅沢な話だ。一時期は確かに金に困っていたようだが、先月くらいから目に見えて贅沢に走るようになった。

店の前から彼女にSMSを打つ。

「もしかしてヘアーサロンにいる?」
「え?どうしてわかったの」
「君の事は何でもお見通しだよ」

からかいながら美容院の正面のガードに腰をかける。スーツ姿をコートに包み、足元にはキャスター付バッグを置いたまま、ガードレールに座って足をぶらぶらさせている。人通りはあるんだけど、薄暗いせいか、誰も俺のことを気にとめない。そうこうするうちに施術が終わったようで、店員が片づけをはじめた。早速またSMSだ。

「そろそろ終わった?」
「何よ、どうしたの一体?気味が悪いわ」
「瞳を開ければ君の姿が浮かぶのさ」
「何言ってるのよ」

普通に照れてやがる。瞳を “開ければ” って書いたのに気づいてないみたいだ。

しばらくすると清算を終えて彼女が店から出てくる。うつむいて歩く彼女の前に不意に立ちはだかり、「ニイハオ」と言う。はっと顔を上げた彼女が「~」と叫んだ。

とっさに出たその叫びは、多分中国語だった。


4-68b



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