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4-60.デジカメ
2008 / 08 / 03 ( Sun )
4-60

彼女はまた実家に帰っていたらしい。新しい父親と仲直りし、俺が生活を支えるようになってからは頻繁に実家に帰るようになった。学校のほうはどうなってるのかと思うが、まぁ家族と仲良くやるのは悪いことではない。

新しくデジタルカメラを買ったんだそうだ。自分で買ったらしい。デジカメの中古なんか買うもんじゃないぞと言うと、見せてあげるといって俺の座っているソファの脇の箱を取り出し、中からカメラを取り出した。黒いタートルネックの胸元が目立つ。すっきりした服を着ると女性らしさが際立つのでちょっとドキッとする。

渡されたデジカメをみてまたドッキリ。薄型で俺のよりも半分以上薄い。裏の液晶画面も大型で鮮明だ。黒いボディにソニーの文字が誇らしい。型番を見て確信した。こりゃ中古どころか最新型じゃないか。

「一体どうやって手に入れたの?」
「友達が仲介してくれたの、日本からの輸入品よ」

と彼女が言う。箱をさぐって説明書を取り出すと、それは日本語だった。輸入といっても正規ルートではなさそうだ。値段は1,000RMB。日本で売られている価格の半分だ。バッタ屋からの横流し品かな。

その友達に頼めばいつでも手に入るんだそうだ。あなたの分も今度頼んでおいてあげようか、などと言いやがる。彼女の言い方はあまりにも自然だった。ごく普通の中国人の若い女の子の友達関係の中で、こういった違法横流し品を手に入れる機会がごく普通にあるのかもしれなかった。

しかし何とも釈然としない。これは俺の国の製品なんだ、何故本国の人間よりも安い価格でこちらの人間が手に入れられるんだ。彼らが非道いのか、こちらが正直すぎるのか。

「お母さんの写真を見せてあげる」

といって彼女がメモリをから写真を呼び出す。籐製の大きな椅子に中年の婦人が座っている。歳をとっているが細身で凛とした顔立ちはなかなかの美人だ。

「ね、綺麗でしょう」

自分の親なのに臆面もなく彼女が自慢をする。

「私が小さい頃はもっと綺麗だったのよ」

さもありなん。やはりトンビは鷹を生まないのだ。離婚で二人目の旦那という彼女の母親の人生も、この美貌を見てから考えると別の見方になってくる。

「あなたの話もしたのよ」
「え?」
「大丈夫、応援してくれてるわ」

おいおい、一体どんな話をしたんだよ。

さりげないその一言に俺はどん引きしたが、彼女はそんな俺の様子に気づいていないようだった。


4-60b



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