FC2ブログ
スポンサーサイト
-- / -- / -- ( -- )
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-- : -- : -- | スポンサー広告 | page top↑
4-30.同舟共济
2008 / 07 / 01 ( Tue )
4-30

切符を買った俺たちは一旦外に出て、今度は正面の入り口から中に入る。どーんと大きな空間があり、エスカレーターが奥へと上ってゆく。いろいろ表示が出ているけれどもどれが俺たちの乗る電車かわからない。エスカレータの脇の案内所で彼女がまた道を聞く。もしかしてこれってもの凄く大きな駅なんじゃないか?

エスカレータを上ると、広い廊下だ。その両側に待合所みたいなスペースがいくつも並んでいる。その一つに俺たちも入った。でもそこはホームじゃない。なんだか日本の駅とは手順が違うみたいだ。

待合所は大広間だった。ベンチが数列あるけれども、その間にもびっしり人が並んでいる。部屋の奥の方にいくつかゲートにようなものがあり、上に案内表示が見える。どうやらあの一つ一つがホームになっているらしい。電車が到着すると、切符を持った人だけがゲートを通ってホームに降りられるという仕組みの様だった。

ベンチの間の列の後ろに俺たちも並ぶ。列をつくっているようだけれども、ちゃんと並んでいないのでどこが最後尾だかはっきりしない。彼女が前に並んだ年輩の女性に何事か話しかける、どうもこの列が俺たちの乗る列車を待つ人の列か確認しているみたいだ。

年輩の女性が答える前に横の男が振り返って答えた。彼女がまた何かを聞く。会話が続くなと思っていると、最初に声をかけた大姐が再び会話に割り込んできた。気がつくと4,5人が参加する大会議だ。お互い顔見知りでも何でもないはずなのに、えらく話が盛り上がっている。この辺の気安さは今の感覚からするとちょっと不思議。でも東京なんかでも数十年前はこうだったんだよな。

***

しばらくすると列が動き始める。見ると奥の方にあるゲートが開いて人が次々と扉に吸い込まれてゆく。やがて俺たちの番になり、ゲートを越えて扉をくぐり抜けるとその先は階段だ。それを降りるとようやくホームが見えてきた。

列車は欧州風だった。ホームの高さが低く、電車の車輪が見える。列車の編成も結構長そうだ。何両あるんだろう。しばらく歩いて自分たちの乗るべき車両を見つけ、入り口の手すりにつかまって階段を上るようにして電車の中に入る。中は人で一杯だ。2階建て車両の1階の席に降りてゆく。

周囲が皆中国人という状況には慣れていた筈なんだけど、今回はちょっと違う。何しろ人の数が異常に多い、しかも、皆膝をつきあわせるようにして座っている。そして俺の事を見ている。そりゃそうだ。俺は仕事帰りでスーツ姿なのだ。もう目立つったらありゃしない。というか、浮きまくってる。周囲の視線を一身に受けて、恥ずかしいのと怖いのとが入り混じった気持ちになる。彼女だけが頼みの綱だ。

でも、彼女はそんな俺の気持ちなどお構いなしだ。

「ここで待ってて。ちょっと隣の車両を見てくるわ」

あぁっ、やめて!一人にしないでっ!!

と言う間もなく去りゆく彼女を、俺は泣きそうな顔をして見送るしかなかった。



4-30b


02 : 14 : 31 | 筆談小姐4 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<4-29.上海站 | ホーム | 4-31.観光案内>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://pami2.blog77.fc2.com/tb.php/264-557c7d0c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。