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4-20.最終知斗
2008 / 06 / 01 ( Sun )
4-20

その翌週は俺の誕生日だった。

朝、メールボックスを開けるを俺宛に彼女からバースデーカードが届いていた。Yahoo中国版のグリーティングカードサービスだ。俺との最後の会話の前に送信予約していたんだろう。それが今頃届くとは、傷口に塩を塗られているような気がした。

ところがその翌日、再びメールが届いた。今度は彼女本人からだ。

「その、何と言ったらいいか。私は多分自分のことが良く分かっていないの。今の状況では仕方ないのよ。あなたは覚えてないかもしれないけど、きっと忘れてもいないと思うわ。私が言ったあなたへの想いを。一人になりたくないの。私が自分の窓から外の世界を覗いた時、あなたはまだ手を差し伸べていてくれるのかしら」

改行が少なくびっしりと打たれたメールはまだ続く。

「私は自分の側からしかものを考えられなかったの。いろいろ考えたし理解しようとしたけど、よくわからないのでイライラしてしまって。多分あなたはわかってくれると思うけど。私は臆病者なの。目の前に幸せが見えても自分から歩み出せないの。
誕生カード受け取ってくれた?私は自分に嘘をつけないわ。あなたのことをずっと想ってたし、今も想ってる。私がこの暗闇から日の当たる場所に歩みだすための勇気を頂戴。そうすれば私は、この後に続くどんな困難にも打ち勝つ勇気と強さを持つことができるわ」

中国人のラブレターは詩だというのを聞いた。全部がそうなのかは確かめるべくもないが、少なくとも彼女のメールはいつも詩の様だった。

実際、受け取ってみると、こういう文章はそれなりに心に沁みる。

「お互い、誕生日が来たら一緒にお祝いしようって言ってくれたの覚えてる?その約束はまだ生きてる?もし私がまだ中で動きがとれなくなっていたら、助け出してくれる? There's a tiger smelling the flower in my heart...」

最後の一文は何の比喩かよくわからなかったが、感覚的に意味を汲み取って理解した。

そろそろ動く時期だと思った。押し問答には疲れていたし、前回の最後通告のショックもあった。そして今回の心のこもったメール。何となく彼女の術中にハマっている感じも無きにしも非ずだが、ここまで手の込んだ芝居を打ってくるのなら、それはそれで金を払う価値はあると思った。

俺は彼女に返信を書いた。気持ちを理解し、また援助をすることを示唆する内容だった。



4-20b




智斗というのは、智恵をこらした闘争の意味。


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