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3-74.厳寒上海
2008 / 04 / 16 ( Wed )
3-74

疲れ切った彼女と一緒にホテルに戻る。そのまま彼女は俺の部屋に泊まった。いつもより全然早い時間から眠りにつく。

しかし、上海の冬は異常に寒かった。二人で一緒にいるから暖かいと感じるが、一人だったら相当寒さが身にしみたかもしれない。暖房を切った部屋の空気が時間とともに冷え切ってゆくのを感じる。窓のガラスが薄いんだろうか。外気の寒さがどんどん室内に入ってくる感じだ。

彼女は熟睡しているが俺はそんなに眠くない。少しうつらうつらするが、眠りが浅くてすぐに眼が覚めてしまう。彼女は俺に絡みついたまま爆睡している。ぴったりくっついた左胸と、絡められた大腿から体温が伝わってくる。

メールでは好意的なことを書いてはいたものの、明らかに関係は以前とは違っている。冷たいというか、ぎくしゃくしている感じだ。このまま関係を続けて行くのは難しいかもしれない、と暗い部屋の天井を眺めながらぼんやり考えた。

そうこうするうちにトイレに行きたくなった。

起こさないように慎重に腕を身体の下から引き抜き、裸のままトイレに向かう。部屋の空気の冷たさが身にしみる。そして扉を開けてバスルームに入ると、そこは厳寒の地だった。壁の半分以上を占める曇りガラスの向こうからは冷気が容赦なく入り込み、タイル貼りの室内にこだまする。刑務所の様なその光景からは愛情のかけらも感じられない。

急に現実の厳しさを見せつけられた様な気持ちになりながら用を足す。終わってベッドに戻るころには身体はすっかり冷え切っていた。急いで布団に潜り込むが、体温はなかなか回復しない。
隣で彼女はまだ熟睡中だ。俺と二人で作った布団の余熱を独り占めしてる。おれもそこに戻りたいが、こんなにも冷え切った身体ではその雰囲気をぶち壊してしまう。せめてもう少し身体を暖めてからでなくては。

しばらくの間、じっと我慢して一人で身体を暖めようとする。布団をかぶっているので多少は良くなってはくるものの、所詮は自分だけが熱源なのでそんなに暖かくなるものではない。それでも30分くらい我慢して、まぁこの辺なら許して貰えるだろうと思って彼女に近づいた。

彼女は眠りながらも俺の気配に気づいて近づいて来た。しかし俺の身体に触れた瞬間「ひゃっ」と声にならない声を上げて身をすくめ、再び距離をとった。そのまま引き続き寝息を立てて二度と近づいて来ようとはしなかった。布団の隅で身を縮めたまま言いようもない孤独感を感じる俺。

心までも寒くなりながら上海の夜は静かに更けていくのだった。



3-74b



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