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3-69.小姐の主張
2008 / 04 / 16 ( Wed )
3-69

夕食の場では一旦は納得した彼女だったが、帰りのタクシーの中で再び話を蒸し返し始めた。どうにも納得できない様子だ。

「私はあなたを財布だなんて思ったことはないわ、どうしてわかってくれないの」
「そう思ってるようなそぶりに見えたんだよ、ここ数回会ったときはおねだりばかりじゃないか」
「そんなつもりはなかったわよ」

同じような議論が延々と続く。最後の方は彼女もややキレ気味だ。

「なんであなたはそうやってお金の話ばかりするのよ。付き合う前からあなたはお金の話ばっかりだったわ」

おいおい、何でそういう話になるんだよ。

「何度言ったらわかるんだよ、日本じゃ恋人に金を渡したりなんかしないんだよ」
「それにしたって言いすぎだわ」

まるで俺が心の偏狭な人間だといわんばかりの目だ。一瞬、彼女の論理に屈して頭が混乱しそうになるのを懸命に抑える。気がつくと流れが変わっているのは彼女の論戦の巧みさなのか。
俺はもう成り振りかまっていられなかった。何としても流れを変えなければ。

「俺がいくら金を使っていると思ってるんだ。ホテル代や飛行機代だってあったし、その上に君の生活費の面倒まで見て、累計でどれだけの出費になってることか」
「一体いくらだっていうのよ」
「○万円くらい」
「RMBで言ってよ」

面倒くさい女だ。

大げさに溜息をついて日本円を15で割り、RMBに換算する。
それを告げると彼女は、

「そんなに・・」

と絶句した。

思いのほか大きなインパクトに妙な満足感を覚えた。もう完全に俺の流れだ。
これなら面倒な計算をした甲斐があったというものだ。
日本円を15で割って、、あれ、いやまてよ。

「ごめん、一桁大きかった」
「なによそれ」
「でも十分大きな金額だろ」
「さっきのよりは全然小さいわ」

また流れが変わるのを感じる。ここで押されてはいけない。攻めの一手だ。

「じゃぁ自分で出すとしたらどう感じる」
「それは。。。」

気圧されて少し視線が泳いだ彼女だったが、やがて顔を上げるとこう言った。

「でも、今はそれくらいしてくれたっていいじゃないの。」
「何でだよ」
「だって、」

彼女はまっすぐ俺の目を見て言い放った。

「私はあなたに一番大切なものをあげたんだもの」
「。。。。。。」


山口百恵かお前は。

絶句する俺のアタマの中ではあの名曲「ひと夏の経験」が鳴り響いていた。



3-69b



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