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3-61.個人情報
2008 / 04 / 16 ( Wed )
3-61

翌朝、彼女はコンビニに買い物があると言って部屋を出ていった。俺は一人留守番だ。PCを開いてネットにでもつなごうと思ったけどつながらない。よく見るとパスワードを記録し忘れていたみたいだ。また入力しなくてはならない。

昨日見た業者からの書類一式はどこだろう。何気なく彼女の机の引出を開けると、そこにはいろんなものが入っていた。

最初に目に入ったのはIDカードだ。以前のものとおぼしき写真に惹かれて手にとってみて驚いた、名前が違う。KTVで初めて会った時に聞いた名は張さんだけど、ほんとうは陳さんだった。ま、普段は英語名で読んでいるので不自由はないし、店での最初の会話で本名を教えるわけないんだけど、付き合っても本名を自分から教えてくれることはなかったんだよな。と思いながらカードを戻す。

次に見つけたのはパスポート。何でこんなものとってるんだ。中身を見たが海外渡航歴はなかった。だんだん家宅捜査っぽくなっている。次に出てきたのは預金通帳。何とも凄い引出しだよここは。

流石に預金通帳は緊張した。俺が上げた金がどんどん貯金になっていたり、別の人に送金されているんだったらやっぱりショックを受けるんだろうな。ごくりと唾を飲み込んで通帳を開くと、そこには一行しか記載がなかった。日付は彼女が上海に来た少し前。金額は結構な額だ。一括で振り込まれたまま動きはない。

通帳記帳していないだけなのか、それとも本当にこの金に手をつけていないのか。振り込んだのは多分母親に違いない。一人娘が上海に出るというので、なけなしのお金を持たせたのだろう。金額の大きさは愛情の証だ。これが彼らの愛情表現なのかなどとちょっと考えた。
この金はまだあるんだろうか、使ってしまったんだろうか。そもそもこれだけの金を貰っておきながら、何故KTVで働かなければならなかったんだろうか。謎は深まるばかりだ。

通帳を戻してさらに探すとパスワードを入れた封筒が出てきた。そうそう、本来はこれを探したかっただけなんだよ。PCにそれを入力して保存する。そして、紙を封筒に戻して引出を元に戻した。

しばらくして彼女が帰ってきた。何気ない調子で問いかけてみる。これで本名を言ってくれるだろうか?それとも以前ついた嘘をつき通すのだろうか?
「そういえば、中国名の本名って何ていったっけ?」
「発音難しいからあなたには無理よ。英語名で呼んでくれればいいわ」

何とも微妙な答え。もしかしたら好意でそう言ってくれたのかもしれないけれども、少し距離を感じた俺だった。


3-61b


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