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2-35.小姐の涙
2007 / 03 / 04 ( Sun )
SH35

彼女を部屋に連れてはきたものの、物凄く警戒しているのがわかる。

「嫌がることはしないよ」
「分かってる」
「俺のこと嫌い?」
「いい人だと思うわ」
「じゃぁ近くに来たらいいじゃない」
「それ嫌、そういうのはまだ早いわ。人を好きになるのにはもっと時間がいるの」

それから延々、恋愛観についての議論が続く。英語での会話なので中国語よりは複雑な会話ができるのは良いが、相手が難物だった。というか、これも中国のある側面なのかもしれない。とにかく時間をかける。これが彼女が言う「Traditional way」だ。西洋人とは違うのだ。時間がかかって面倒な面もあるけれども、こっちの方が良いのだそうだ。中国という国は元来「Traditional way」の国であって、婚約から結婚まで数年を要するのが普通らしい。

まぁ、その主張も分からないもでもないので、「なるほどね」と納得してみせる。確かに素晴らしいとは思う。しかし自分がまさかそれに巻き込まれることになってしまうとは。できれば他山の石にしておきたかった。

最大の問題が解決されて、少し安心したのか、彼女が少し饒舌になる。でもその内容は昨日と同じく、悲観的な話ばかりだ。何故彼女の話はそちらに流れるんだろう。と思いながら話を聞いていると、母親への愛情が異常に強いのに気がついた。“世界中で私のことを愛してくれるのはお母さんだけなの”などと言っている。

「お父さんは、亡くなったんだっけ?」
「違うわ、離婚したの」

“divorse” という単語を理解するのに少し時間がかかった。

「新しいお父さんが来たけど、私のことは愛してくれていないわ」

何だか少女漫画みたいな設定だなおい、と思ったが、茶化している場合ではない。郷里に居た彼氏とも別れてしまい、自分を愛してくれるのは母親だけだと言うのだ。

「お母さんは、私のことをいつも心配してくれてるの。でも、私は嘘をついてしまった。母は私がKTVで働いているのを知らないの。そんなこと言えないもの」

そういうと彼女はしくしく泣き始めた。

なんだよおい。俺の当初の予定では今頃あっはんうっふんだったはずなんだが、一体どこで道を踏み間違えたんだ。

そう思いながらも、放ってはおけず、泣き始めた彼女を慰める俺だった。




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